初めて海外旅行へ行ったのは、かれこれ20年近く前、1994年の2月、大学2年の春休みに行った、中国になります。
高校のときの友人と二人で、神戸から鑑真号という船で2泊3日、中国の上海へ行きました。
上海、西安、北京、天津、上海とメジャーな都市を周って、1ヶ月の旅でした。
まだ学生だったので、汚い格好でもいいし、荷物はなるべく少ないほうが良いということで、普段から使ってたデイパックひとつで行きました。
そのころの、上海に到着して、まず誰もが始めに思うのは、クサイっていうことだと思います。
街中がドブの臭いにつつまれているような。
その臭いに慣れない人は、もう2度と中国に行きたくなくなるようですが、私の場合は、港を出ると、いきなり日本の戦後にタイムスリップしたような光景に出くわして、街のほうへ歩いていくと、橋の上で汚ったないおばちゃんが鍋に煮卵売ってたり、その隣では真っ黒の汁の中にわけのわからんもんが入ってるの売ってたりするのを見てるうちに、その臭さも忘れてしまいました。
船の中では、船酔いでなんとなく食欲もなかったのですが、陸に上がって一気に食欲も湧いてきて、そうゆう変な食べ物いろいろに興味はあるんですが、言葉も話せないし、なかなか試せなくて、初めは躊躇しました。
しかし、そんなことではこの先1ヶ月も旅できない、負けてはいけないと思い、初めは蒸篭で蒸されてるげんこつくらいの茶色い丸いものにトライしました。
なにより、2月の寒い中、湯気が立ってておいしそうだったので。
「多少銭?」いくらか聞くと指1本出されたので、10元かな、130円くらいか、安いなと思って、10元札1枚渡して、その茶色い丸いのをもらって歩き始めました。
すると、あとからおつり渡しに来てくれました。
どうやら1元=13円だったみたいです。
買ってからわかったのですが、茶色い色は竹の皮で、縛ってある凧糸を取ると、中身は中華粽でした。
そしてこれがまたおいしくて。
これがあったら1ヶ月食べる物には困らないなって思いました。
それに、外国人がおつりをもらわないで行ってしまったら、そのままにされそうなのに、わざわざおつりを渡しに走って来てくれて、中国人も思ってたよりいい人たちだと安心しました。
とりあえず、初めの難関突破です。
そしてその晩は、恐る恐るホテルの前の汚ったない食堂に入りました。
はじめの晩くらい良いレストランでとか思ったりもしたのですが、はじめにキレイなレストランで食事したら、その後汚い食堂に入れなくなるのじゃないかと恐かったので、あえて切ったない食堂を選びました。
まわりで食べてる人のや、表の看板を指差して、2元とか3元の卵チャーハンとかチンゲンサイの炒め物とか3品ほど頼みました。
冷えたビールはありますか?って聞いたら、その店には冷えたのは置いてなくて、店の人が近くの冷蔵庫のある店まで買いに走ってくれて、とても親切でした。
料理もおいしくて、ビールも入れて一人5元でお腹いっぱいになりました。
初めに汚い店に入ったことで、この先どこででも食べていけるという自信になりました。